喪主の役割について事前に知っておきたいこと

葬儀の際、喪主として何をすべきか、葬儀に先立つ段階での必要な準備や注意点について多くのお問い合わせをいただきます。喪主としての役割や葬儀に備える際の要点を事前に理解しておくことで、後悔のない葬儀を行うことができます。
喪主の役割について少しでも詳しく知識を深めることで、より満足のいく葬儀を実現できるでしょう。

通夜・葬儀（告別式）の挨拶の例文

喪主として、弔問（会葬）に駆けつけてくださった皆様への御礼を述べます。
通常、この挨拶は喪主が行いますが、喪主が挨拶することが難しい場合、代理を立てることもあります。
たとえば、故人様の妻が喪主を務め、ご長男がいる場合、ご長男が代わりに挨拶を行うこともあります。

【通夜の挨拶】

本日はご多用の中、通夜にご弔問頂きまして誠にありがとうございました。
故人が生前賜りました、ご厚情に対し、厚くお礼申し上げます。
尚、明日の葬儀・告別式は（午前・午後）○○時より執り行います。
ご都合がよろしければご会葬くださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。

【葬儀・告別式の挨拶】

本日は多忙中にもかかわらず、故○○○○の葬儀にあたりまして心からのご会葬を頂き、誠にありがとうございました。
故人が生前賜りました、ご厚情に対し、厚くお礼申し上げますと共に、今後共私ども遺族に、変わらぬお付き合い、ご指導を賜りますようお願い申し上げます。
簡単ではございますが、これをもちましてお礼の挨拶にかえさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。

通夜・葬儀の喪主の役割

式場の席順を決める一般的な方法

喪主席: 祭壇に向かって右側の前列の最も祭壇に近い席が喪主席です。喪主は通常、故人との関係が最も近い人物で、式典を主催する役割を果たします。

血縁席: 喪主席の後には、血縁関係に基づいて席が決められます。これには親、兄弟姉妹、子供などが含まれます。右側の席が埋まったら、左側の前列から順に席に座ります。

配偶者の席: 故人の配偶者は通常、喪主の隣に座ることが多いです。配偶者は棺に寄り添う役割を果たし、喪主に支えを提供します。配偶者が喪主でない場合でも、喪主の上座もしくは喪主の隣の席が用意されます。

子供達の席: 子供達は通常、両親と一緒に座ります。これにより、焼香などの儀式を「一家族単位」で行うことができ、スムーズに進行します。

なお、男尊女卑といった意識は時代とともに薄れていますが、伝統的な要素が残る場合もあります。席順は文化や宗教によって異なることがあるため、具体的な席順は式場や地域の慣習に従うことが重要です。
地域の慣習などがご不明な場合は、担当者にお尋ねください。

焼香の順番を決める一般的な方法

葬儀における焼香の順位は、故人との関係や家族の構成によって異なります。以下に、故人の子が喪主をする場合と、故人の配偶者が喪主をする場合の焼香順の例です。
焼香順位作成の際には、呼び名に間違いがないように、お名前や肩書はすべてフリガナを記入することをおすすめします。

【故人の子が喪主をする場合】

1. 喪主（父母が亡くなった時）
2. 故人の配偶者
3. 喪主の妻・子供
4. 喪主の兄弟姉妹
5. 故人の兄弟姉妹
6. 故人の配偶者の兄弟姉妹
7. 故人の親戚
8. 故人の配偶者の親戚
9. 来賓

【故人の配偶者が喪主をする場合】

1. 喪主（配偶者が亡くなった時）
2. 喪主の子供達
3. 故人の親
4. 故人の兄弟姉妹
5. 喪主の親
6. 喪主の兄弟姉妹
7. 故人の親戚
8. 喪主の親戚
9. 来賓

※来賓は親戚の前になることもあります。
※来賓の順位は故人の関係が先になります。
上記は一般的な参考例であり、地域の慣習や家族の状況に応じて異なる場合があります。

供花・供物の並び順を決める一般的な方法

花や供物の配置順は、故人と深いつながりのある人から、祭壇に最も近い場所から順に配置します。
具体的には、近親者、友人、知人、その他関係者の順に配置します。
祭壇の左右の上座がどちらか分からない場合は、故人の頭側を上座とし、反対側を下座と考えれば良いでしょう。

【例1】

１対（２基）を揃えて並べる場合。
故人様の親族を上座の祭壇寄りに配置し、次に下座の祭壇寄りに配置します。このように配置することで、祭壇に近い方に故人様との深いつながりを示す形となります。

【例2】

１対（２基）の花を左右別々に並べる場合、関係の深い人から祭壇に近い位置から順に配置します。ただし、１基だけの場合は左右の順番が変わる可能性があるため、注意が必要です。

弔電の順番を決める一般的な方法

弔電拝読は司会者が数通のみを本文まで読み上げ、その他の弔電は、肩書とお名前のみをご紹介するのが一般的ですが、どの弔電を紹介すべきかは葬儀の規模や故人との関係などに応じて配慮が必要です。
ご家族や司会者と相談のうえ、読み上げる順番をご検討ください。

1. 肩書や社会的地位に基づく読み上げ順位
   社葬や公的な葬儀の場合、肩書や社会的地位を優先して弔電を紹介することが一般的です。公職者や業界の重要人物、有名人などは、通常、最初に紹介されます。
2. 交流の深さに基づく読み上げ順位
   一般の葬儀では、故人様との交流が深かった方々を優先的に紹介することが多いです。友人や親しい知人、近隣の住民、町内関係者など、心からの弔意が伝わる関係が優先されます。
3. 喪主や故人様の勤務先からの弔電
   喪主や故人様の勤務先からの弔電は、特に大切なものと考えられます。関係者が参列している場合、その勤務先からの弔電を読みあげる配慮が必要です。

火葬場へ向かう車を決める

霊柩車と一緒に火葬場へ向かう車を供車（きょうしゃ）といい、供車を選ぶ際のポイントは以下の通りです。

1. マイクロバス
   マイクロバスは大人数（20名程度）の葬儀参列者の移動に適しています。大規模な葬儀や多くの参列者がいる場合に便利です。
2. ハイヤー
   ハイヤーは比較的小規模なグループ（1台あたり3～4名）の移動に適しています。親族やごく近しい友人など、少人数で葬儀に参加する場合に利用できます。
3. 自家用車
   自家用車を利用する場合、葬儀担当者に火葬場までの道順と駐車場を確認してください。
   ただし、自家用車を運転する場合は、お疲れのなか、慣れない道を走るため、交通渋滞による疲労や事故にお気を付けください。

一般的に、火葬場への移動は葬儀の規模や参列者の数に合わせて選択します。大勢の参列者がいる場合や、葬儀をスムーズに進行させたい場合にはマイクロバスやハイヤーを利用することがおすすめです。また火葬場の駐車場事情や運転リスクを考慮し、最適な交通手段を選択することが大切です。

棺へ納めたいものを準備する

お棺に納めていただく故人様の趣味や家族の思い出の品々を副葬品といいます。副葬品をご準備いただく際には火葬場の安全規則を考慮する必要があります。以下は副葬品に関する注意点です。

1. 火葬場のルール
   金属製品、厚い雑誌や本、ガラス製品、陶器など、燃えない物品は一般的に制限されます。
2. メガネや果物の取り扱い
   メガネはお棺に入れることはできませんが、ご遺骨と一緒にお骨壺に納めることができます。果物を納める場合は、破裂や燃えにくさを考慮し、適切なサイズにカットして納めます。
3. ペースメーカーの申告
   ペースメーカーなどの医療機器が埋め込まれている場合、爆発の危険性があるため必ず火葬場に事前に申告しましょう。

お棺に納めたい品物については、葬儀社の担当者と相談されるとよいでしょう。

葬儀の受付係を決める

家族葬の場合

家族葬は、親しい家族やごく限られた関係者のために行われる小規模な葬儀です。通常、受付業務は主にご親族によって行われます。

一般葬の場合

一般葬は、より多くの参列者が予想される場合であり、親族だけでは受付業務を遂行しきれないことがあります。
この場合、親族様と会社関係者、町内の方々などにお願いすることがあります。
ただし、香典などの現金を預かることになりますので、信頼のおける方にご依頼ください。

寺院（宗教者）へ葬儀のお勤めを依頼

1. お付き合いのある寺院（宗教者）への依頼
   既にお付き合いのある寺院（宗教者）があれば、その寺院に葬儀のお勤めをご依頼ください。
   故人様の姓名と続柄を伝え、枕経や読経を依頼します。
2. 葬儀の日程の調整
   葬儀の日程は、故人様の安置、ご親戚の到着時間、宗教者の都合、火葬場の空き状況などを考慮し、葬儀社と日程を調整していきます。
   なお、24時間以での火葬はできません。
3. 寺院（宗教者）の紹介
   お付き合いのある寺院（宗教者）がない場合、葬儀社が寺院や宗教者を紹介してくれます。